最近、国内に於いて、頻々として報じられるレジオネラ菌による感染事故は、往々にして入浴時に起ります。

ポンティアック熱として発症するケースは比較的容易に完治しますが、レジオネラ肺炎にかかった場合は10%以上の高率で死亡することがあり、健康弱者には充分な注意が必要です。

弊社は浴槽水やプールの水を、セラミックス濾過機と高濃度オゾン処理装置を組合せたシステム(アクアクリーンサイクル)で水の清浄化を行いますが、 レジオネラ菌対策に関連し、御客様の間で、若干の誤解が生じることがありましたので、本装置の守備範囲を、あらためて明確にさせていただきますので御一読ねがいます。
  1. 弊社の装置は、浴槽の底部より水を吸い込み清浄化システムを経由させ、1サイクル30分間をかけ、水道水レベルの水にして、浴槽に戻します。

  2. レジオネラ菌は清浄化システムで完全に死滅します。
     
  3. 空中に浮遊している新たなレジオネラ菌は浴室の湯気やタイルの水を経由し、浴槽に入り込みます。
    弊システムでは浴槽内のオゾンはゼロ、塩素濃度は0.1ppm以下に設定するので、侵入したレジオネラ菌は浴槽内では生きています。

     
  4. 弊システム運転中は、浴槽内の水が30分間毎に徐々に清浄水と入れかわるので、周囲から入りこんだレジオネラ菌は、通常浴槽内で急激に増殖を始める前にシステムによって大半は殺菌されますが、100%ではありません。

統計では、数時間殺菌せず放置した浴槽水の場合はレジオネラ菌が急激に増殖し、菌数は10×104〜106CFU/100以上と膨大もない数になり感染の危険性は早いスピードで拡がります。

弊システムを設置した浴槽で偶に検出される菌数は、各れも100CFU/100前後と少い数ですが、規制値が10CFU/100以下の為、安全とは言えず対策が必要となります。

弊社のシステムでは、塩素の弊害が大きく取りざたされる昨今の事情もあり、清浄水を浴槽に戻す際に、必要に応じ時間を限定して塩素剤を0.1mg/程度添加しています。

以上御説明申し上げた通り、浴槽水の清浄化作業は弊装置により完璧に行われますが、浴槽内にはオゾンはゼロ、塩素剤は必要最少限しか入れない為、単に水道水レベルの湯が満されている状態で、レジオネラ菌が天井から、あるいは周囲のタイルなどから浴槽に侵入してくるのを防ぐ対策はとっていません。

御高承の様にレジオネラ菌は、自然界の土壌や淡水中に広く分布する生活菌で、エアゾル状のミストや水を経由して移動します。

湯気のたちこめた浴室の空間や洗い場のタイルは、レジオネラ菌には最適の住み家となり、更にこれらを経由して容易に浴槽に入り込みます。

浴槽内で、アメーバその他の細菌捕食性原生動物にレジオネラ菌が取り込まれると、その細胞内で消化されず逆に増殖していき、最終的には宿主を殺して外に拡がります。また、菌の表面にバイオフィルムを作って成長する特殊な菌で、紫外線や塩素などの薬剤の殺菌作用からはカバーをかぶって逃れ、生命を守ります。

従来、一般的な対処法として、
  1. 70℃以上の湯に5秒以上接触させる。
     
  2. 60℃の湯、もしくは0.4ppm以上の遊離残留塩素に20分以上接触させる。
などの方法がおこなわれています。

また紫外線殺菌法も可能な場合もありますが、処理後のレジオネラ菌が可視光線を受けると、光回復作用によって生き返ることもあり完全とはいえません。


レジオネラ菌は、グラム陰性無芽胞性桿菌でブドウ糖を発酵しない特殊な菌です。生物膜の中で保護されている為、塩素なども薬剤には抵抗性があり、塩素0.4ppm×20分間で殺菌可能と考えられていますが、最近では菌に耐性も出来、これでも充分とはいえません。

弊社は浴室の天井やフロワーから侵入するレジオネラ菌を、浴槽に入る前に大半を殺菌し、浴槽内に投入する塩素量を最小限に抑える為、大型の浴室にはオゾン水及びオゾンガス発生装置(ハイブリゾン)の設置をおすすめします。

御高承の通り、オゾンは強い酸化力により、細菌の細胞壁を破り殺菌を行うもので、その作用は菌種を選ばず、また細菌にオゾンの耐性は出来ません。

さらにオゾンは容易に分解して酸素に変るため、塩素と異なりトリハロメタンなどの毒性物質は一切残さないメリットを持ち合せています。


ハイブリゾンは浴室の天井に設置されたスプレーノズルにより、0.1ppm以下の低濃度オゾンガスを所定時間散布し、可能な限り空中浮遊菌を殺菌し脱臭します。

併せて、濃度0.3〜1.0ppmのオゾン水を作り、3〜10ケの蛇口より4〜15/min程度をタイル面に流し、タイルや入浴器具の洗浄に使用します。

また、オゾン水散布用の浴室の広さに合せた小口径ノズル付のパイプを設置し、タイマーによる所定時間オゾン水をタイルに流す方法も有効です。

オゾン水のレジオネラ菌に対する殺菌効果は下表の通りです。


レジオネラ属菌の耐オゾン性試験
殺菌率
溶存オゾン濃度
4mg/ 2mg/ 1mg/ 0.3mg/ 0.1mg/
90
50秒 120秒 120秒 250秒
99 <5秒 100秒 195秒 200秒 440秒
99.9 <5秒 155秒 280秒 280秒 630秒
初菌数:1×105CFU/ml

出典:臨床化学診断法/柴田 進

細菌の挙動は微妙で、浴室内のレジオネラ菌の殺菌については、弊社として、従来の各種オゾン利用水及び空気処理装置の実績から充分な自信はありますが、100%滅菌の保証は出来ません。

ハイブリゾン®の仕様その他についてはこちらを御参照下さい。

浴室内でハイブリゾンを使用する場合は、入浴時間中通して運転することが肝要です。
オゾンガスの散布は、10分ON、5分OFF、オゾン水は5分ON、10分OFFのタイマー運転方法が標準ですが、浴室の環境に合せて調整して下さい。

ハイブリゾンに関する御問合わせがありましたら、弊社営業部まで御連絡をお願い申し上げます。

以  上

Copyright© 2006 HANSHIN JITSUGYOU K.K. All Rights Reserved.